より多くの列を持つ下流の TiDB テーブルにデータを移行する
このドキュメントでは、対応する上流のテーブルよりも多くの列を持つ下流の TiDB テーブルにデータを移行するときに実行する追加の手順について説明します。通常の移行手順については、次の移行シナリオを参照してください。
- 小さなデータセットの MySQL を TiDB に移行する
- 大規模なデータセットの MySQL を TiDB に移行する
- 小さなデータセットの MySQL シャードを TiDB に移行およびマージする
- 大規模なデータセットの MySQL シャードを TiDB に移行およびマージする
DM を使用して、より多くの列を持つ下流の TiDB テーブルにデータを移行する
アップストリーム バイナリログをレプリケートするとき、DM はダウンストリームの現在のテーブル スキーマを使用してバイナリログを解析し、対応する DML ステートメントを生成しようとします。アップストリーム バイナリログのテーブルの列番号がダウンストリーム テーブル スキーマの列番号と一致しない場合、次のエラーが発生します。
"errors": [
{
"ErrCode": 36027,
"ErrClass": "sync-unit",
"ErrScope": "internal",
"ErrLevel": "high",
"Message": "startLocation: [position: (mysql-bin.000001, 2022), gtid-set:09bec856-ba95-11ea-850a-58f2b4af5188:1-9 ], endLocation: [ position: (mysql-bin.000001, 2022), gtid-set: 09bec856-ba95-11ea-850a-58f2b4af5188:1-9]: gen insert sqls failed, schema: log, table: messages: Column count doesn't match value count: 3 (columns) vs 2 (values)",
"RawCause": "",
"Workaround": ""
}
]
以下は、アップストリーム テーブル スキーマの例です。
# Upstream table schema
CREATE TABLE `messages` (
`id` int(11) NOT NULL,
PRIMARY KEY (`id`)
)
以下は、ダウンストリーム テーブル スキーマの例です。
# Downstream table schema
CREATE TABLE `messages` (
`id` int(11) NOT NULL,
`message` varchar(255) DEFAULT NULL, # This is the additional column that only exists in the downstream table.
PRIMARY KEY (`id`)
)
DM がダウンストリーム テーブル スキーマを使用して、アップストリームによって生成された binlog イベントを解析しようとすると、DM は上記のColumn count doesn't match
のエラーを報告します。
このような場合は、 binlog-schema
コマンドを使用して、データ ソースから移行するテーブルのテーブル スキーマを設定できます。指定されたテーブル スキーマは、DM によってレプリケートされるバイナリ ログ イベント データに対応している必要があります。シャード テーブルを移行する場合は、シャード テーブルごとに、DM でテーブル スキーマを設定して binlog イベント データを解析する必要があります。手順は次のとおりです。
DM で SQL ファイルを作成し、上流のテーブル スキーマに対応する
CREATE TABLE
のステートメントをファイルに追加します。たとえば、次のテーブル スキーマをlog.messages.sql
に保存します。# Upstream table schema CREATE TABLE `messages` ( `id` int(11) NOT NULL, PRIMARY KEY (`id`) )binlog-schema
コマンドを使用して、データ ソースから移行するテーブルのテーブル スキーマを設定します。この時点で、データ移行タスクは上記Column count doesn't match
のエラーにより一時停止状態になっているはずです。tiup dmctl --master-addr ${advertise-addr} binlog-schema update -s ${source-id} ${task-name} ${database-name} ${table-name} ${schema-file}このコマンドのパラメータの説明は次のとおりです。
パラメータ 説明 -master-addr
dmctl が接続されるクラスター内の任意の DM マスター ノードの ${advertise-addr}
を指定します。${advertise-addr}
は、DM-master が外部にアドバタイズするアドレスを示します。binlog-schema set
スキーマ情報を手動で設定します。 -s
ソースを指定します。 ${source-id}
は MySQL データのソース ID を示します。${task-name}
データ移行タスクの task.yaml
の構成ファイルで定義されている移行タスクの名前を指定します。${database-name}
データベースを指定します。 ${database-name}
は上流データベースの名前を示します。${table-name}
アップストリーム テーブルの名前を指定します。 ${schema-file}
設定するテーブルスキーマファイルを指定します。 例えば:
tiup dmctl --master-addr 172.16.10.71:8261 binlog-schema update -s mysql-01 task-test -d log -t message log.message.sqlresume-task
コマンドを使用して、一時停止状態の移行タスクを再開します。tiup dmctl --master-addr ${advertise-addr} resume-task ${task-name}query-status
コマンドを使用して、データ移行タスクが正しく実行されていることを確認します。tiup dmctl --master-addr ${advertise-addr} query-status resume-task ${task-name}